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副業初心者が時給を下げている行動|「ついでにもう1枚」を黙って受けること

その優しさがあなたの時給を下げてます 動画編集

こんにちは、コムたんです。大学生をしながら、YouTubeのサムネを作る仕事をしています。

結論:修正の範囲を超えた依頼が来たら、作る前に「これは修正ですか?追加の発注ですか?」と聞く。黙って受けてしまうのは、副業を始めたばかりの人が自分の時給を下げてしまう、いちばんよくある行動の一つです。

これはサムネに限らず、動画編集・デザイン・イラスト・ライティングなど、依頼を受けて納品する仕事ならどこでも起きます。僕もサムネの仕事に150件応募して、やっと1件通りました。その最初の案件で、修正まで出し終わったあとに、「もう少しこうしてほしい」というご指摘と一緒に、構図から変えた別パターンの相談が来ました。どう返したか、返したら何が起きたかを全部書きます。ここで時給を下げてほしくない、という気持ちで書きました。

何が起きたか

  • 依頼書に細かい指定がなかったので、素材から自分で判断して初稿を作った
  • 修正の指示に対応して、修正版も出した。頼まれていない別案も付けていた
  • そのあとに「もう少しこうしてほしい」というご指摘と一緒に、構図から変えた別パターンを作れないか相談が来た

今のサムネから引き継げるのは素材だけ。中身はほぼ1から1枚作るのと同じでした。

ほとんどの人は、ここで受けてしまう

理由はだいたいこの3つだと思います。

  • 初めての案件だから、関係を良くしたい
  • 断ったら次がなさそう
  • 「修正」と言われると、断る理由が見つからない

僕も150件応募してやっと取れた1件なので、気持ちはめちゃくちゃ分かります。でも、1枚3,000円・1時間で作る案件で計算するとこうなります。

状況受け取る金額かけた時間時給
1枚を1時間で作る3,000円1時間3,000円
もう1枚ただで作る3,000円2時間1,500円
それが毎回続く3,000円3時間1,000円

1回受けると「この人は頼めばやってくれる」が前提になって、次も同じ相談が来ます。安売りは1回で終わらず、時給を下げ続けます。

先に言っておくと、いつも断れという話ではない

ここからの話は、料金が自分の時給に見合っていないときだけ使う手です。

  • 料金に含まれていると思えるなら、気持ちよく受ける。たとえば1枚8,000円の案件なら、僕は「その料金に含まれておりますので、対応いたします」で受けます
  • 見合っていないと判断したときだけ、扱いを聞く
  • 判断の物差しは自分の時給。僕の基準は時給1万5,000円くらいで、サムネの仕事では実際にそれくらいで作れています

最初の1件として、基準より安い条件で受けることはあります。でも、そこからさらに下げることはしない。ここが線です。

修正と新しい1枚の線引き

修正新しい1枚
やること今のサムネを直す別のサムネを作る
例文言・色・位置・大きさの調整、素材の差し替え構図・方向性・主役が変わる
今のサムネから残るものほぼ全部素材だけ

迷ったら「今のサムネから何が残るか」で見ます。素材しか残らないなら、それは新しい1枚です。

動画編集のように1本に8時間かかる仕事だと、もっと大きな話になります。「BGMだけ差し替えて」は修正の範囲。でも「構成から全部作り直して」は新しい1本です。1本が重い仕事ほど、線引き1つで時給が大きく変わります。

送った文(要点)

要点だけ抜き出すと、こんな文を送りました。

ご相談ありがとうございます!
ご指摘いただいた方向性、すごく良いと思います。ぜひ対応させていただきたいです!

そのうえで一点だけご相談させてください。
今回の内容だと構図から大きく変わるため、今のサムネを直すというより「もう1枚新しく作る」形になります。

修正の範囲として捉えていただくことも理解しておりますので、1本分の金額でなくても構いません。
追加でご発注いただくことは可能でしょうか…?

今後のためにも、どこまでが修正で、どこからが新しい1枚になるかを一度すり合わせさせていただけると、お互い安心して長くご一緒できるかなと思っております。

気をつけたのは4つです。

  1. 最初に相手の指摘を受け止める。断りではなく「やりたい、そのうえで相談」の順番
  2. 何が変わるかを事実で書く。「大変」「時間がかかる」とは書かない
  3. 相手の見方を先に認めてから譲歩を出す。「修正と思うのも分かる、だから金額は下げてもいい」
  4. 相手にも得のある理由で締める。「今後も長く一緒にやるために線を決めたい」

「ただ働き」という言葉や契約書の条文は出していません。初めての相手に出すと、責めているように見えるからです。

結果:聞いただけで、ただ働きが消えた

返事は「相談ベースだったので、今回はこのままで大丈夫です」というものでした。別パターンは作らなくてよくなりました。ただ働きはゼロ、関係も悪くなっていません。

やってみて分かったこと

  • 範囲外の依頼の多くは「言ってみただけ」。聞いた時点で消えることがある。黙って受けた人は、作らなくていい物まで作っている
  • 断るより質問する。「修正ですか?追加ですか?」と聞けば、判断を相手に返せる
  • 聞くのは作る前だけ。作ってから「追加料金を」は、まず通らない
  • 自分で選んだおまけと、求められたただ働きは別物。先に頼まれていない別案を出していたことが「ケチじゃない」証拠になって、お願いに説得力が出た
  • 一番いい対策は予防。今回の原因は、最初に方向性の指定がなかったこと。初回に「見せたいもの・構図の希望」を聞いておけば、作り直し自体が起きない
  • 選択肢を出すと「はい」と言われやすい。間に担当者がいるなら、その人が上に説明できる言葉(「構図から変わるので実質新規です」)を渡す

ビジネスの世界でも、同じことが言われている

今回やったことは、僕の思いつきではありません。調べてみると、ビジネスの定石とほぼ同じでした。

  • 人には優しく、条件ははっきり。交渉術の古典『ハーバード流交渉術』の基本は「人と問題を分ける」こと。相手には丁寧に接して関係を守り、範囲や金額の話ははっきりさせる。送った文はこの形です
  • 与える人は、一番上にも一番下にもいる。アダム・グラントの『GIVE & TAKE』では、人に与える人は成功している人にも、一番損している人にも多いという結果でした。分かれ目は、自分の利益も守れているかどうか。何でも引き受ける人は、燃え尽きる側に回ります
  • 範囲がじわじわ広がるのは代表的な失敗。プロジェクト管理では、頼まれる範囲が少しずつ広がることを「スコープクリープ」と呼びます。防ぎ方は決まっていて、範囲外の依頼は「変更」として費用と一緒に出し直すこと。「修正ですか?追加ですか?」はこれと同じです
  • 安い値段は「その程度の仕事」という合図になる。値段は品質の目印として受け取られやすく、一度下げた値段は後から上げにくい。初回だけ安くするなら、「初回価格」と名前と期限を付けておくのが定石です
  • 法律も同じ方向を向いている。2024年11月に始まったフリーランス法では、発注する側は仕事の内容や報酬を書面などで示す義務があります。1か月以上の取引では、こちらに責任がないのにやり直させることも禁止されています

法律の話は、相手に突きつけるためのものではありません。線を引くのはわがままではない、という確認です。優しさは売り物ではなく、渡し方。売るのは仕事の中身です。

範囲外の依頼が来たときの返し方

来た依頼返し方
修正+αの少し大きい追加1.5倍で受ける。3,000円の案件なら「4,500円にしていただければ対応できます」
構図から変わる(実質新規)新しい発注として出してもらう。関係を優先するなら「半額でも構いません」
どちらか分からない「修正の範囲ですか?追加の発注ですか?」と扱いを聞く
次の案件から最初に方向性をもらう。どこまでが修正かを一度すり合わせておく

自分のルールを作って、先に伝えておく

依頼が来るたびに「ここまでは許容範囲」というルールを1つずつ足していきます。

  • 例:修正は2回まで
  • 例:文言・色・位置・素材の差し替えは修正。構成や方向性が変わるものは新しい1本
  • 例:自分の時給の基準を下回る追加は、扱いを聞く

決めたルールは、受ける前に先方へ伝えておきます。後から言うと交渉になりますが、先に言えばただの条件です。範囲がはっきりしている人の方が、頼む側も安心して頼めます。

嫌ならやめる覚悟。ただし、やめ方は正しく

僕は150件応募してやっと取れたこの1件でも、買い叩かれるようなら、その日に「やめます」と言うつもりでやっています。その覚悟があるから、丁寧に、でもはっきり線を引けます。

ただし、今受けている案件は最後まで納めてから、次を受けないのが正しいやめ方です。作業の途中で投げ出すと、契約によっては代わりを頼んだ費用などを請求されることがあります。覚悟は「次から受けない」で使います。

まとめ(ここだけ読めばOK)

  • 修正=今あるものを直すこと。新しい1本=別のものを作ること。素材しか残らないなら新しい1本
  • 範囲外の依頼が来たら、作る前に「修正ですか?追加の発注ですか?」と聞く。断るのではなく、扱いを聞く
  • 使うのは、料金が自分の時給に見合っていないときだけ。料金に含まれているなら気持ちよく受ける
  • 返す順番は「受け止める → 何が変わるかを事実で → 譲歩(1.5倍/新規なら半額でも)→ 今後のために線を決めたい」
  • 範囲外の依頼の多くは「言ってみただけ」。聞くだけで消えることがある
  • おまけは自分で選んで出すもの。求められて出すのはただ働き
  • 優しさは態度で出し、範囲と値段ははっきり。交渉術やプロジェクト管理でも同じことが言われている
  • 「ここまでは修正」という自分のルールを作り、受ける前に伝えておく
  • 嫌ならやめていい。ただし今の案件は納めてから、次を受けない

この記事を読んだあなたには、自分を安売りせずにやっていってほしいです。

1回のただ働きは「この人は頼めばやる」という前提になって、時給を下げ続けます。逆に、1人ひとりが「これは追加です」と言えるようになれば、その仕事全体の相場が守られて、ゆくゆくは業界全体の単価、働く人みんなの収入アップにつながっていきます。安売りしないことは、自分のためだけじゃなく、同じ仕事をしている人のためでもあります。

僕はまだ大学生で、経験も多くはありません。それでも、安売りしない方がいいことははっきり分かります。自分の時給の基準を決めて、それを下げる依頼には扱いを聞く。それを続けて、今はサムネの仕事で時給1万5,000円くらいを出せています。

150件応募してやっと取れた1件でも、僕は安売りしません。ここで時給を下げる行動は、しないでほしいです。

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